機械構造製品、発電プラント、石油精製・化学プラント、橋梁他各種鋼構造物の溶接部の残留応力除去・軟化・組織改善を目的に溶接部の熱処理業務にあたります。
熱処理には、「焼なまし」「焼ならし」「焼入れ」「焼戻し」等、様々な種類があります。その中で弊社は、主に焼なまし(応力除去焼鈍)を溶接部に施す業務を行っています。
配管と配管を繋ぐ際に行われる溶接は、溶接棒を溶かしこむことによって繋ぎとめています。その際に発生する加熱と冷却の繰り返しによって硬化と歪みが生じ、配管と配管の継ぎ目(溶接部)が硬く脆い材質となってしまいます。 この状態を人で例えると動脈硬化にあたります。テレビでも言われているように動脈硬化は血管が堅くなり血液の流れに血管が耐えきれず、破裂しやすい状態となってしまいます。同様に配管には、高圧力でガスや蒸気が流れていきますので、破裂してはとても危険です。 そこで行われるのが『焼きなまし』という工程です。この工程は、金属の軟化と安定化を目的としており、例えるならガラスの管をゴム管に替え、蒸気の流れを柔軟に受け止め送り出せるようにします。
溶接によって「硬く脆い材質」になった継ぎ目を軟化・安定化させるのには、もう1度熱を加え、金属組織を改善させなければなりません。しかし、ただ熱を加えるだけの工程ではなく、JIS等で定められた条件下のもとで熱を加えます。
熱処理部では、誘導加熱と抵抗加熱の2種類の加熱法をメインに熱を加えます。 これらについて簡単に説明すると、誘導加熱は溶接部や配管自体に自己発熱を促す加熱方法です。抵抗加熱は、抵抗媒体を溶接部や配管にセットし抵抗媒体の発熱で加熱する方法です。
弊社では以下の装置を使い予熱・焼鈍施工を行います。
インバーター式誘導加熱電源。
出力周波数1〜5KHz、出力電力20kwφ200~φ600の配管溶接部の予熱・焼鈍施工に最適。
ガラス被覆で絶縁されておりφ200〜φ600の配管溶接部の予熱・焼鈍に使用される。
高周波加熱ではできない小径配管や大型構造物の焼鈍作業に最適。
熱処理施工中の温度及び時間をチャート用紙に記録する。